ボタニカルコミュニケーションは、植物と会話をするためだけの学びではありません。
植物と向き合い、その存在を感じ取ろうとするとき、私たちは同時に、「自分は、どのように相手を感じているのか」 「何を通して、相手とつながっているのか」 「どのようなものに反応しやすいのか」 という、自分自身のコミュニケーションのあり方にも触れていきます。
人と人との関係の中で、 なぜか気が合わない人がいる。
理由は分からないけれど、その場に居心地の悪さを感じる。
会話は普通にできているのに、どこか噛み合わない。
一緒にいるだけで、いつもより疲れてしまう。
その一方で、初めて会ったのに自然に話せる人や、言葉をたくさん交わさなくても、心地よく過ごせる人もいます。
この違いは、どこから生まれるのでしょうか。
人は言葉だけで会話をしているわけではありません
私たちは、人と接するときに言葉だけを受け取っているわけではありません。
声の響き、表情、姿勢、話す速さ、距離感、その人がまとっている雰囲気。
さらに、その場の空気や、自分自身の心身の状態も重なりながら、相手との関係を感じ取っています。 同じ言葉を聞いても、安心する人もいれば、緊張する人もいます。
同じ場所にいても、心地よく感じる人もいれば、なぜか落ち着かない人もいます。
人によって、受け取るものも、反応する場所も異なるからです。
なぜ私は、人から影響を受けやすいのだろう
人からの影響を受けやすいと感じている方も少なくありません。
相手の感情に引っ張られてしまう。
人が多い場所に行くと疲れる。
誰かと会ったあと、気持ちが重くなる。
その場では平気でも、家に帰ってから強く反応する。
けれど、「人から影響を受けやすい」といっても、その受け取り方は一人ひとり違います。
相手の感情に反応しやすい人。
場の雰囲気を身体で感じ取る人。
言葉そのものより、その奥にある意図を受け取る人。
相手に合わせすぎて、自分の感覚が分からなくなる人。
一見すると似ている状態でも、その内側で起きていることは同じではありません。
だからこそ、ただ影響を遮断しようとするのではなく、
「私は何を受け取っているのだろう」
「どのような場面で反応するのだろう」
「そのとき、身体や感情には何が起きているのだろう」
と、自分の感覚を丁寧に見ていくことが大切になります。
植物との対話は、自分の受け取り方を知ること
ボタニカルコミュニケーションは、植物とコミュニケーションをとるためのワークショップです。
Botanical Communication Ⅰでは、植物と向き合うときの基本的な姿勢や、意識の向け方、自分の感覚を観察する方法などを学んでいきます。
植物との対話では、自分の中に浮かんだ感情や思考を、すべて植物からのメッセージだと捉えることはできません。
自分の記憶なのか。 その日の気分なのか。
植物を観察したことで生まれた印象なのか。
それとも、もっと別のところから受け取ったものなのか。
それらを急いで決めつけず、丁寧に見分けていく必要があります。
この過程を重ねていくと、自分が普段どのように人や場を感じ取っているのかも、少しずつ見えてきます。
植物との対話を学んでいるようで、実際には、自分自身の感受性の扱い方を学んでいるのです。
Botanical Communication Ⅱで広がる学び
現在、Botanical Communication Ⅱのワークショップを準備しています。
Ⅱでは、植物とのコミュニケーションをさらに深めながら、人がどのように相手や場を感じ取り、どのような形で影響を受けているのかについても、学びの範囲を広げていく予定です。
詳しい内容については、まだここではお伝えしません。
けれど、自分のコミュニケーションの特徴を知ることによって、 なぜこの人とは自然に話せるのか。
なぜこの人とは、どこか噛み合わないのか。
なぜこの場所では落ち着かないのか。
なぜ自分は、特定の人や雰囲気に強く反応するのか。
これまで言葉にできなかった感覚の奥に、ひとつの手がかりが見えてくるかもしれません。
それは、相手を判断するための学びではありません。 自分がどのように世界と接し、何を受け取り、どこで反応しているのかを知るための学びです。
フラワーエッセンスの選び方にもつながる自己理解
自分の感じ方や影響の受け方が分かるようになると、フラワーエッセンスの選び方にも、新しい視点が生まれます。
たとえば、「人から影響を受けやすい」という状態だけを見ても、必要なエッセンスを一つに決めることはできません。
相手の感情に同調しやすいのか。
相手との境界が曖昧になりやすいのか。
人に合わせることで、自分の感覚を後回しにしているのか。
特定の言葉や雰囲気が、過去の記憶に触れているのか。
その背景によって、必要になる植物からのサポートは変わります。
表面に現れている状態だけではなく、その奥で何が起きているのかを丁寧に見つめること。
それによって、フラワーエッセンスを選ぶときの洞察も、より深いものになっていきます。 植物との対話を通して、自分自身の感じ方を知っていく。
外側にある植物へ意識を向けながら、同時に、自分の内側にある繊細な感覚に気づいていく。
ボタニカルコミュニケーションは、忘れていた感覚を思い出し、自分と世界とのつながり方を、静かに見つめ直していく時間でもあるのだと思います。
